南米で初めて開催される夏季オリンピックとなる、リオデジャネイロ五輪が5日、(日本時間6日午前)に幕を開けた。前回のロンドン大会を上回る史上最多の205の国と地域から1万人を超える選手が出場。17日から始まるテコンドー競技には、63の国と地域から、日本の浜田真由を含め、男女各64人、計128人がエントリーした。
開会式の入場行進をマラカナン競技場の記者席で見ていた。その行進で、ひときわ目立っていたテコンドー選手がいたのをご存じか。
トンガの旗手を務めたその大男は上半身は裸、巻きスカートのような民族衣装をまとっていた。肌にはオイルをテカテカに塗りたくり、191センチ、100キロの肉体美をアピール。同国からだだ1人、テコンドーに出場する、ピタ・タウファトファ(32)選手だった。
オーストラリア生まれのトンガ育ち。1996年アトランタ五輪で銀メダルを獲得したトンガのボクサーに刺激を受けて、自分の身を守る手段として、テコンドーを始めたという。リオでは80キロ超級に出る。
インスタグラムには、「ちょっとしたサプライズがある。まばたきすると見逃すぜ」と、開会式前に自ら投稿していた。
奇抜な格好での入場行進に、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、「いったい誰だ?」という見出しをつけて紹介。SNS上には、「開会式でトンガが金メダルをとった」などの、コメントも見られ、一躍時の人となった。(リオデジャネイロ=朝日新聞スポーツ部記者・原田亜紀夫)