世界女王として乗り込んだ2度目の五輪は悔し涙で終わった。テコンドーで昨年の世界選手権を制した女子57㌔級の浜田真由は準々決勝で、世界ランク3位のヘダヤ・ワーバ(エジプト)に、延長の末に0―3で敗退。「金メダルだけを目指していた。もう少し、試合をしていたかった」と目を赤くして言った。
勝負は紙一重だった。「リスクを考えて、勝負に行けたところも待ってしまた」。互いに決定打が出ず、0―0のまま先に点を取った方が勝つゴールデンポイント方式の延長へ。中途半端な頭への蹴りが相手にかわされ、ガードが甘くなったところで、かかと落としが頭に落ちてきた。
浜田に勝ったワーバも続く準決勝で敗れ、浜田の敗者復活は断たれた。「ミリ単位の攻防に負けた。でも、また4年後がある」と古賀コーチ。不完全燃焼の浜田をねぎらい、慰めた。
(リオデジャネイロ=朝日新聞スポーツ部・原田亜紀夫)