リオが寒い。今も長袖、長ズボンでこの原稿を書いている。南米で初めておこなわれる「夏季五輪」だが、ここは南半球。ブラジルの季節はいま、真冬だ。日中は強い日差しが照りつける時もあるが、朝夕は20度以下と冷え込むことが多い。にもかかわらず、移動のバス、建物の中はたいてい冷房ががんがん効いている。
台湾、韓国合宿を終えて先月末に帰国した浜田真由(ミキハウス)の実家がある、佐賀市の8月1日の気温を見てみると、35度近くあった。浜田は今月18日に、ここリオである五輪本番の試合に向けて、10日に日本を出発するが、この気温差には、注意が必要かもしれない、と感じた。
しかし、全く心配無用だった。日本オリンピック委員会(JOC)から支給された大型のスーツケースに、そろそろ、リオに持参する荷物を詰め込み始めるころと思い、特にこだわって持参するものを、浜田に聞いてみた。
「応援してくれるみなさんからいただいた寄せ書きは、全部持っていくつもりでいます。あとは……、腹巻きですね」。
こちらが「リオは寒いよ」と伝える前から、しっかりと対策が出来ていた。(朝日新聞スポーツ部記者・原田亜紀夫=リオデジャネイロ)