平成29年度パラテコンドー強化指定・育成選手選考会開催
~パラテコンドーをはじめてみませんか~

この記事は2017年8月10日現在のものです。最新ニュースをご確認ください。

山梨市民総合体育館で6月4日(日)、平成29年度パラテコンドー強化指定・育成選手選考会が開催された。この選考会は日本のパラテコンドー界初となるキョルギの全国大会で、2020年の東京パラリンピックに向けて第一歩となる貴重な大会だ。

まず、この記事をご覧になっている方々はパラテコンドーをご存知だろうか。取材は慶應スポーツ新聞会の鈴木啓仁と反保真優が担当したが、多くの方々と同様に実際にパラテコンドーの公式戦を見た経験はなかった。なんとなくサッカーなどとは異なり、「ボールがゴールに入れば1点」というような分かりやすいルールではない印象をお持ちの方も多いだろう。自分もその1人で、ルールなどは勉強してきたとはいえ取材をすることに一抹の不安もあった。

パラテコンドーの魅力は華麗な足技だ(ティッチャギ(後ろ蹴り))

パラテコンドーの魅力は華麗な足技だ(ティッチャギ(後ろ蹴り))

試合開始が告げられた。しかし不安はすぐに吹き飛んだ。非常にルールがわかりやすいのである。相手の胴体部分に蹴りを決めることができれば1点獲得。回し蹴りなどの大技を決めることができれば3点獲得。相手の下半身を攻撃した場合、両足が場外に出た場合、寝転んでしまった場合は相手が1点を獲得。細かいルールはもっとたくさんあるのだろうが、これだけ頭に入っていれば十分に観戦することができた。

写真は田中光哉選手と星野佑介選手 3位決定戦では白熱した試合が繰り広げられ延長戦までもつれ込んだ

写真は田中光哉選手と星野佑介選手
3位決定戦では白熱した試合が繰り広げられ延長戦までもつれ込んだ

トーナメントは進み、自分が観戦を楽しむことができるようになってきた頃、準決勝の高橋選手対田中選手の試合を迎えた。第1ラウンドは1-1で折り返し接戦になるのかと思われたものの、第2ラウンド以降は攻撃のチャンスを逃さない高橋選手が着実に得点を重ね、5-1で高橋選手が決勝進出を果たした。もうこの時には白熱した展開の試合を見て、完全にパラテコンドーの虜になっている自分がいた。

さらに大会は進み、準決勝で星野佑介選手を3-1で下した伊藤力選手と、田中選手を下した高橋選手が決勝戦で激突した。第1ラウンドが始まってすぐのことであった。伊藤選手が独特の掛け声とともに豪快な回し蹴りを決め、一気に3点を獲得した。このまま高橋選手は攻撃を決められず、4-0で第2ラウンドへ折り返した。軽快なフットワークで攻撃の手を緩めない伊藤選手と、蹴りは繰り出しつつも決めきれない高橋選手。点差は縮まらず6-1で最終第3ラウンドを迎えた。しかし、ここから高橋選手は怒涛の追い上げを見せた。高橋選手は諦めずに攻め続け、このラウンドだけで4点も獲得した。ところが伊藤選手もそう簡単に逆転させてはくれず、7-5で伊藤選手が高橋選手を下して見事優勝を果たした。

試合後に握手を交わす伊藤選手と高橋選手

試合後に握手を交わす伊藤選手と高橋選手

見事優勝を果たした伊藤力選手

見事優勝を果たした伊藤力選手

第1回目となる全国大会で優勝した伊藤選手だがその目は先を見据えていた。東京パラリンピックを目指す伊藤選手は試合後インタビューで「より頑張っていこうという気持ちにさせられました」と語った。しかしそれは伊藤選手だけではない。どの選手も目線の先にはパラリンピックがあった。

2020年東京パラリンピックの正式種目になったパラテコンドー。ここ数年で選手数は増えたものの、まだまだ普及が進んでいるとは言えない。パラテコンドーはやる気さえあれば、今からでもパラリンピック出場、ひいてはメダルを考えられる競技ではないだろうか。15歳の星野選手も「本気で取り組めることがあると、人生が変わるなと思います。」と試合後インタビューで語った。パラテコンドーを知ったこのきっかけを逃さずに、「本気で取り組めること」始めてみてはいかがですか?

(慶應スポーツ新聞会 記事・写真 鈴木啓仁・反保真優)

選手インタビュー

1位 伊藤力選手(31) セールスフォース・ドットコム

今日の試合を振り返って

初めての全国大会ということで非常に緊張しました。しかし、私が去年パラテコンドーを始めた時は出場選手が1、2人だったのですが、1年経って6人で競い合うことができて嬉しかったというのが正直な感想です。

アピールポイントは

1番は体力で、1ラウンド目から3ラウンド目まで同じ動きができるところです。

テコンドーはどのような存在か

腕をなくしてしまって出会ったテコンドーですが、運良くパラリンピックを目指せることになって非常にありがたいです。パラテコンドー普及と発展はもちろん自分が結果を出していけるように頑張っていきたいです。

今回の優勝は東京パラリンピックにどのようにつながるか

全国大会の第1回目という貴重な大会で優勝できたということは、より頑張っていこうという気持ちにさせられましたし、今後競技が普及して新しく選手が増えたとしても負けないようにしていきたいと感じました。

〈記者のコメント〉

第一回パラテコンドー大会の初代王者となった伊藤選手は、国内パラテコンドー競技のパイオニアだ。2017U.S.パラテコンドー選手権大会(アメリカ) で優勝を果たすなど、2020東京パラリンピックに向け、着実に力を伸ばしている。持ち味は、1ラウンドから3ラウンドまで同じ動きができる「体力」だ。1年で6人まで競技者が増えたことに喜びを感じながらも、「選手が増えても負けないようにしたい」と力強く語ってくださった。

2位 高橋健太郎選手(44) ラバインターナショナル

今日の試合を振り返って

決勝は最初にリズムを作られてズルズルと流れを変えられないまま終わってしまいました。1回目ということで気負いもあったのかな、というところが反省点です。

どのような練習をされているか

体力づくりで階段トレーニングに力を入れています。病気があるのですが、その様子を見ながらやっています。

アピールポイントは

ある程度中年で障害があって病気もあるけれど、同世代の人と同じように頑張りたいです。

東京パラリンピックに向けて

メダル目指して頑張っていきますので、応援お願いします。

〈記者のコメント〉

「ある程度中年で、障がいがあって病気もあるけれど、同世代の人と同じように頑張りたい。」そう快活に語ってくださったのは、高橋選手だ。自分が結果を残し頑張る姿を見せることで、多くの人に勇気を与えたい。そんな熱い思いが伝わってくる。最近は腰の病気の様子を見ながらも、階段トレーニングに取り組んでいるそうだ。決勝では後半の追い上げ及ばず2位に終わったが、この悔しさを糧に、パラリンピックのメダルという目標に向かって突き進んでほしい。

3位 田中光哉選手(24) 洪人館

今日の試合を振り返って

初めての大会で思った通りの動きができなかったのでまた練習しようと思いました。

アピールポイントは

まだアピールポイントと言えるほど基礎ができていないので、基礎を固めることができた後に選手としての特徴を出していきたいと思います。

テコンドーはどのような存在か

まだ始めて間もないのですが練習を重ねて楽しんでいきたいと思っています。

〈記者のコメント〉

競技を始めて間もないが、3位決定戦では延長戦を制し、粘り強さが光った。堂々の3位に入ったが、「まだアピールポイントと言えるほど基礎ができていないので、基礎を固めることができた後に選手としての特徴を出していきたい」と謙虚な言葉を口にし、練習への意欲を見せた。競技を楽しむ姿勢を忘れずに、今後も努力を積み重ねてほしい。

4位 星野佑介選手(15) 横浜炫武館

今日の試合を振り返って

前回の試合では伊藤選手と対戦して14-1でボロボロの結果でした。今日は3-1で点差が縮まって良かったです。3位決定戦はサドンデスで負けてしまったので悔しいです。

アピールポイントは

まだ15歳なので伸びしろがあるところだと思います。

競技を始めたきっかけは

東京都のパラリンピアン発掘プログラムでテコンドーやりませんかとスカウトされて、パラテコンドーを始めました。本気で取り組めることがあると、人生が変わるなと思います。

今後の目標は

伊藤選手に勝つことです。

〈記者のコメント〉

成長著しい、パラテコンドー界期待の新星だ。東京都のパラリンピアン発掘プログラムでスカウトされ、競技を始めたという。憧れ選手は、伊藤力選手。今大会では前回の対戦より、点差を縮められたと手応えを感じたようだ。次の対戦では「伊藤選手に勝ちたい」という大きな目標を掲げた。

5位 阿渡健太選手(30) 日揮株式会社

今日の試合を振り返って

まだ素人なのでルールも分からないこともありましたし、基礎ができてないことを痛感しました。

アピールポイントは

瞬発力とパワーと負けん気です。

テコンドーはどのような存在か

東京パラリンピックの正式種目になったと聞いて始めたので、1つの大きな夢だと思っています。

〈記者のコメント〉

東京パラリンピックでパラテコンドーが正式種目となったことを知り、競技を始めたという阿渡選手。「東京パラリンピックが一つの夢」と語ってくださった。アピールポイントは、瞬発力と負けん気の強さだ。課題と語った「基礎作り」を徹底し、さらなる飛躍に期待したい。

6位 高塚恭平選手(29) 憲守会

今日の試合を振り返って

公式戦は初めてで全然練習通りにできず、道場でいつもできていることを発揮できず悔しいです。 

アピールポイントは

右の回し蹴りが得意です。

パラテコンドーを始めたきっかけは

格闘技が好きで始めました。

今後の目標は

代表になってメダルを取れるように頑張ります。

〈記者のコメント〉

格闘技が好きで、パラテコンドーを始めたとい高塚選手。得意技は、力強い右の回し蹴りだ。今大会は「初の公式戦で練習通りにはいかなかった」と悔しさをにじませたが、これから実践経験を重ねて力を発揮してほしい。

パラテコンドーとは

http://ajta.or.jp/taekwondo/para/

パラテコンドーに興味のある方は下記にてお問い合わせください。

http://ssl.qualiasign.jp/ajta/contact/

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